トルコのオールドキリム。
このキリムは、近年特に人気の高い“バラクキリム” と呼ばれるもので、非常に色鮮やかで、所謂キリムらしい文様で構成されています。
バラク(Barak)とは、地中海沿岸の東部アナトリアから西部アナトリアの非常に気候の良いアンタルヤ地方に移動した部族です。
特にこのキリムは、保存状態が良く、織り糸の色の変化『アブラッシュ』(糸の色の濃淡と太さの大小がつくり出す織りの風合い)もとても美しいキリムです。
ウールはもちろん手紡ぎですが、色は化学染料も用いられています。草木染めの色に馴染んでいた当時の織り手にとっては、見たことのない化学染料の新しい色に惚れ、それを使いたいと思ったのも止むを得ないことでした。化学染料使用ゆえの色バランスの美しさは、逆にこのキリムの魅力にもなっています。
デザインは、evileye(イーヴィル・アイ:邪視)と呼ばれる文様が全面に描かれ、「第三者によって引き起こされる危害や障害、不幸、死といった災害から身を守るため」のものです。また、両端のエンドボーダーには家畜の多産を願う“愛の和合”と子孫繁栄を願う“櫛”の文様が描かれています。キリム全体としては、資産が増えて幸せな生活が続くようにと願って織られたものです。
このキリムは、サイズ的に、リビングのソファーなどと合わせてお使いいただくか、床に置く絵としてお使いください。空間をとても華やかに演出してくれます。
撮影場所:ロゴバ東京