キリムの種類

キリムの種類



現在、世界的に用いられているトルコ語の"Kilim(キリム)"は、一般的に毛脚(バイル)のない平織りやつづれ織(綴織:平織の一種で、縦糸をより太い横糸で包み込むことで、縦糸を見えなくして横糸だけで絵柄を表現する織物)のことを指します。その種類には、大きく分けて、いわゆる平織や綴織で構成された単純なキリムと、織りに少し工夫を加えたジジムやスマック、そしてジャジムと呼ばれるものがあります。

 

 

単純なキリム(Kilim)

いわゆる単純なキリムには、スリットの入ったものが多く見受けられますが、基本は縦糸に横糸をしっかりと打ち込んだつづれ織りで、横糸の色を変える部分にスリットの手法を使っています。また、曲線の文様をもつキリムもあり、横糸でカーブを描くために、横糸を曲線状にずらしたり、別糸を差し込んだりしています。

▶︎様々な織り方

 

①つづれ織りキリム

縦糸が隠れるほど横糸をしっかりと打ち込む織りです。横糸だけに色を使い、縦糸は白黒しか染めてない糸を使います。横稿のキリムを織る時に用いられます。テント、サドルバック、キリムの織り始めや織り終わりによく使われる織り方です。

つづれ織りイラスト

 

②スリット織りキリム

色を使い分ける部分に用いる最も簡単な手法です。1色の横糸は、その色の部分の最端の縦糸を軸に巻き戻り、別の色の横糸は隣の縦糸で反対側に巻き戻ります。この2色の境には切れ目(スリット)ができ、この切れ目が長いとキリムが弱くなるので、色の境目を斜めに織り進むことで、菱形や三角形などの大胆な幾何文を表現することができ、この手法によって長い年月の中で様々な文様が生み出されました。多くのキリムはこの織り方を用いています。

スリット織りイラスト

 

③つなぎ織りキリム

隣り合わせの色の部分の横糸は同じ縦糸を軸にしており返します。2つの色の間には切れ目はありませんが、デザインは色部分の端が少しぎざぎざに見えるのが特徴です。1本の縦糸に2本の横糸が絡んでいるため、スリット織りに比べると織り方は少し粗くなりがちです。

つなぎ織りイラスト

 

④重ねつなぎ織りキリム

隣り合う色の横糸は、一つの方向に進んでつなぎ合い、次の列では反対の方向に進んでつなぎ合います。つなぎ目にはぎざぎざはなく、文様はくっきりと見えますが、片面に盛り上がった畝(うね)を作るため、完全なリバーシブルとは言えません。

重ねつなぎイラスト

 

⑤曲線織りキリム

普通、横糸は縦糸の間を水平に通して織ります。しかし、横糸を凸凹に打ち込むと、横糸はカーブして、別の糸を差し込むことができます。こうして挿入した別糸は小さな連続文様を作り、装飾を施したりします。

曲線織りイラスト


別糸を差し込むと、本来の横糸はその別糸を囲むようにカーブし、そのカーブは時に巧みな職人によって美しい波文様や丸文様になります。イランのヒジャーやセネの流れるような花の文様によく使われています。

曲線織りキリムイラスト2

 

ジジム(Cicim)

ジジム(Cicim)は、地織り(縦横の平織り)の部分を全部隠さないで、文様の部分に別糸を織り込んだ織りです。地織り部分に比べて別糸が太いため、文様が浮き上がって見えます。 

Cicimという語は、トルコ語で「小さくて楽しい」という意味です。平織りやつづれ織りでできた地織りに、別糸(横糸)で装飾します。刺繍と考えられている向きもありますが、横糸として最初から織り工程の中に組み込まれているものです。一般的には家具のカバーなどとして使われていました。

ジジムイラスト

  

スマック(Soumak)

スマック(Soumak)は、地織り(縦横の平織り)に横糸を一方向にからめた織りです。

Soumak という語源は、コーカサスの町シェマッハShemakhaにあるといわれており、何世紀もの間素晴らしいスマックが作られています。スマックは既に横糸が通っている地織りに、新しい横糸を前面に(図地ともに)巻き込んでいく手法です。大変頑丈にできており、基本的には横糸をバックさせながら、縦糸2本に絡めて織り進めていく織り方です。その方向は、一方織りであったり、隔列ごとに反対方向になる2通りがあります。イラン、トルコでも広く織られています。

ソマックイラスト1ソマックイラスト2

図(文様)と地(背景)の両方が刺繍されているのが特徴です。

スマック織りイラスト

 

ジャジム(Cecim)

ジャジム(Cecim)は遊牧民が織った織物で、本来は遊牧民のテントの骨組みを固定するベルトとして織られた十メートル以上ある紐状の丈夫なキリムです。

ジャジム(Cecim)こそが、テント生活をする遊牧民ならではの織物といえます。ロゴバは、特に遊牧民が織り上げた文様が次々と変化するジャジム(Cecim)に興味を持ちコレクションしています。

ジャジム(Cecim)はキリムの一種ではありますが、横糸で文様を表現する一般的なキリムとは異なり、縦糸で絵柄を表現する織物です。 絵柄を表現する部分の縦糸は、異なる2本の糸を前後に動かすことで文様を表現する仕組みになっています。

 

ジャジムイラスト表

ジャジムイラスト裏

 

2本の縦糸の色が異なる部分は横糸が入ることで表と裏の色が変わり表側に文様が現れる仕組みとなっています。
よってジャジムには表面と裏面があります。

ジャジム織りイラスト

 

 

ジャジム表面写真ジャジム裏面写真