GABBEH(ギャッべ)
【 ギャッベとは 】
「ギャッベ」とは、ペルシャのザクロス山脈やその付近に住む遊牧民のガシュガイ族やルリ族などによって古くから織られてきた遊牧民の手織り絨毯の総称です。
それらは現在も母から娘へと代々受け継がれている伝統的な織物ではありますが、現在では、遊牧生活をしながら絨毯(ギャッベ)を織ることはほとんどなく、織り手は定住しながらギャッベを織っているのが実情です。
ところで、かつてカシュガイ族の織り上げたキリムやギャッベの多くは、現在のファールス州の州都であるシーラーズの市場に集められていました。
しかしながら当時、ペルシャ語の「ギャッベ」と言う言葉は、織り目が粗く毛足が長くて重い絨毯のことを意味し、『ざっくりとした』または『garbage=ゴミ』というような意味が込められていました。
つまり、精緻なペルシャ絨毯が好まれていたイランでは、絨毯には高度な織り手の技術や繊細さが求められ、洗練されたデザインが好まれていました。そして、ペルシャ絨毯はその精緻なデザインや色彩の美しさにこそ価値があるとされ、世界中で、富の象徴としてそれらを所有することが、その人の社会的地位の高さを表現することになるとまで考えられていました。
そのような時代にあって、非常に粗くて厚い形状の素朴な「ギャッベ」は、精美なペルシャ絨毯に比べ、まるで『ギャッベ=ゴミ』のように思われたのでしょう。
しかし時代が変わり、機械化・デジタル化・均質化が進んだ現在では、以前とは逆に多くの人々が心の豊かさを求め、個性や温かみのあるナチュラルな美を求めるようになりました。素朴な動物や風景など、織り手の生活に基づくモチーフで構成されたギャッベは、その一枚一枚に織り手の思いや温かみが感じられ、その素朴でユニークなデザインゆえに、多くの人々に愛されるようになっています。
ところで、かつてカシュガイ族の織り上げたキリムやギャッベの多くは、現在のファールス州の州都であるシーラーズの市場に集められていました。
しかしながら当時、ペルシャ語の「ギャッベ」と言う言葉は、織り目が粗く毛足が長くて重い絨毯のことを意味し、『ざっくりとした』または『garbage=ゴミ』というような意味が込められていました。
つまり、精緻なペルシャ絨毯が好まれていたイランでは、絨毯には高度な織り手の技術や繊細さが求められ、洗練されたデザインが好まれていました。そして、ペルシャ絨毯はその精緻なデザインや色彩の美しさにこそ価値があるとされ、世界中で、富の象徴としてそれらを所有することが、その人の社会的地位の高さを表現することになるとまで考えられていました。
そのような時代にあって、非常に粗くて厚い形状の素朴な「ギャッベ」は、精美なペルシャ絨毯に比べ、まるで『ギャッベ=ゴミ』のように思われたのでしょう。
しかし時代が変わり、機械化・デジタル化・均質化が進んだ現在では、以前とは逆に多くの人々が心の豊かさを求め、個性や温かみのあるナチュラルな美を求めるようになりました。素朴な動物や風景など、織り手の生活に基づくモチーフで構成されたギャッベは、その一枚一枚に織り手の思いや温かみが感じられ、その素朴でユニークなデザインゆえに、多くの人々に愛されるようになっています。
【 ロゴバのギャッベ・コレクションとは 】
ロゴバの視点でコレクションしたギャッベは、全て、ほぼ30年前の数年間にゾランヴァリ ”ZOLLANVARI” の家族* から直接ロゴバが購入し、現在まで保管していたものです。それらは当時の優れた織り手によって織り上げられた上質なギャッベで、一枚一枚が現在のゾランヴァリのモダンな展開に繋がる独自の個性を持った逸品です。
*当時、国立民族学博物館 教授で、イスラム文化・絨毯研究の第一人者であった杉村棟 氏のご紹介
ギャッベ・コレクションの中には織り手のサインが織り込まれたものも多く、それらからは、織り手が時間をかけ心を込め織り上げた作品(ギャッベ)への愛情や自信が感じられます。
ロゴバは、特にギャッベの中でも小さなサイズをコレクションしています。
その理由は、ロゴバが『インテリアを楽しみたい!』という気持ちを大切にているからです。
一般に大きな絨毯は収納場所に困ります。インテリアを楽しむために最も大切なことは「四季折々に模様替えができる」ということです。中でも、床の風景(素材)を簡単に変えられることはインテリアを楽しむ上で特に重要で、敷物の有る無しで、お部屋の雰囲気は全く変わります。そのためにも、ロゴバは収納が簡単な小さなサイズの絨毯をコレクションし、お部屋のアクセントとして簡単に移動できるサイズで、アーティスチックなギャッベをコレクションするように心がけました。
つまり、小さなギャッベ(敷物)は、季節や気分に応じた使い分けが可能で、『インテリアを楽しむには最適なアイテム』とロゴバは考えています。
そして、小さなサイズの敷物は、空間のアクセントとして模様や色の選定がある程度自由で、その時々のインテリアに合わせやすく、気軽に雰囲気を変えて楽しむことができると私たちは考えています。
【 ギャッベ(遊牧民の絨毯)とインテリア 】
1. 温かみのある雰囲気を演出
自然素材であるウールと温かみのある色合いが、空間に温もりを与えます。
2. 個性的なアクセントとして
シンプルな家具やモダンなインテリアにギャッベを取り入れることで、空間に個性的なアクセントを加えることができます。
3. 人々が継承した文化を味わう
手織りの技術や伝統が反映されたデザインは、インテリアに文化的な深みを与え、訪れた人々になごみを与えます。
4. 多様なスタイルとの調和
特に小さなサイズは、カジュアルな部屋からフォーマルな空間まで、さまざまなスタイルに合わせて幅広くコーディネートすることができます。
【 ゾランヴァリ 】
ギャッベ は、2,000年以上にわたり、遊牧民が生活の中で生み出し伝え続けてきた織りの文化をもつ絨毯で、主にイランの南西部で作られているものです。
しかしギャッベは、イラン国内では長らくゴミのように扱われてきました。
そうした中 ゾランヴァリは、1970年頃、織り手の個性やアート性がギャッベにあることを見抜き、遊牧民から定期的に買付を行いながら、遊牧民にギャッベの品質管理のアドバイスを行い続けました。
その結果現在では、ゾランヴァリのギャッベは上質なギャッベとして欧米を中心に世界中へ広まりました。
つまりゾランヴァリは、ゴミ扱いされていたギャッベを上質なギャッベに育て上げ、世界的なブランドに育て上げた絨毯商なのです。
TULU(トゥル)
【 トゥルとは 】
「トゥル(TULU)」とは、古くからトルコの遊牧民(テュルク)が自分たちの生活のために織っていた素朴な手織りの絨毯です。
トゥルは、平織りの経糸(たていと)に糸を結びつけてパイル(毛足)を作り出す手法で、あまり嵩張らず平坦になるよう、経糸に緯糸を数段通してからパイルを結びつけて織っているのが一般的です。
パイルの風合い、長さ、柄ゆきなどは千差万別で、遊牧民自身が日常使いしていたこともあり、文様はいたってシンプルで素朴です。がしかし、大自然の中で生活していたため、トゥルには大らかで自由さが感じられ、織りを楽しんでいるように思われる作品が多く見受けられます。
ところで、トルコでは既に遊牧民が存在しなくなっています。そのため、地元トルコをはじめ欧米では、トゥルはレアなコレクターの間で根強い人気を博しており、良質でユニークなトゥルは評価が高くとても貴重なものとして取引されています。
Modern TULU(モダン・トゥル)
【 モダン・トゥルとは 】
「2004年からの数年間、トルコではかつての遊牧民の女性のように素朴な手紡ぎのウールを紡ぐ人がほとんどいなくなったため、ダメージのあるアンティークやオールドキリムのウールを解いて風合いのある絨毯(トゥル)を織るプロジェクトが、トルコの遊牧民の伝統を引き継ぐ子孫たちの間で起こりました。
→ モダン・トゥル
ロゴバはこの活動を現地で支持し全面的に協力いたしました。
その活動で織り上がった絨毯は、正しく現代センス溢れるモダンなTULUであり、現在では、入手困難と言えるユニークな逸品です。
このプロジェクトは約5年で終了しましたが、今から考えると、いわゆる【SDGs】でありエコ活動であったと言えます。
宗教・宗派の違いによる文様の変化
中近東で暮らす遊牧民は、世界三大宗教の一つ イスラム教を信仰していますが、そのイスラム教は、大きくシーア派とスンニ派の二派に大別することができます。
そして、遊牧民が絨毯に描く文様は、もちろん部族によっての違いがありますが、彼らが属する宗派によってもかなり大きな違いがあります。
つまり、イランの遊牧民はシーア派に属し、絨毯に描く文様は実物に近い具体的な絵柄が多いが、
また一方、トルコの遊牧民はスンニ派に属し、文様をより単純化し抽象化して描く傾向があります。