トルコのオールドキリム。
この“エシュメキリム”は、メインの文様が“ミフラーブ文様”で、一人用の礼拝用キリムとして織られたものです。ミフラーブ文様の内部(背景が赤色の部分)は、織り手の遊牧民が羊の多産を願って描いた“愛”“愛の和合”“多産”“お守り”の文様で埋め尽くされ、ミフラーブ文様の上部の左右(背景が淡い緑色の部分)には、立派なシャンデリアが吊り下げられ、祈りの空間を荘厳に演出しています。
織られた当時は大変色鮮やかで煌びやかであったと想像されるキリムですが、現在は落ち着いた色合いに変化し、可愛い印象を与えています。
ところで、エシュメはエーゲ海地方の内陸部にあるウシャク県に属する地方都市です。
県都があるウシャクは産業革命以前からとりわけ絨毯の産地として世界的評価を得、交易の要衝として栄えました。そうした中、エシュメ地区はキリムの産地として古くから名が知られています。
このようなサイズは、壁にかける絵として、または床に置く絵として用いることができますが、一人掛けの椅子とコーディネートをしたり、ベッドサイドの床に飾って置くのもお勧めです。
※ 最後の写真でコーディネート使用している椅子は、デンマーク[ハウス オブ フィン・ユール社]製の“リーディングチェア”(Finn Juhl / 1953)です。
撮影場所:ロゴバ東京