このキリムは、トルコ内陸部のアナトリア地方の中心地コンヤの近郊で生活していた遊牧民によって織られたオールドキリムです。
当時は、穀物を入れる袋(CUVAL : チュワル)として作られましたが、後世、美しい刺繍(ジジム)の残った表面だけをこのような小さなキリムラグ(YASTIK : ヤストゥク)として蘇らせたものです。
(チュワルの裏面は、通常、染めていないシンプルな単色のキリムでできています)
コンヤは、古くからアナトリアの中心で、テュルク系遊牧民の築いた“セルジューク朝トルコ帝国”時代には首都も置かれたことがあり、13世紀にはトルコを代表するイスラム教神秘主義者、ルーミー(メヴラーナ)がコンヤで活動し、メヴレヴィー教団を開いたことから、現在も宗教上の聖地として有名です。
また、コンヤ地域とその南部の地中海地方を隔てるトロス山脈の山岳地域には、古くから多くの遊牧民が暮らし、高度が高く冬の寒さが厳しいため、彼らが育てる羊からは質の良いウールが採れ、キリムの産地としても有名です。
特にこのチュワルキリム(ジジム)は、実際に穀物袋として使われていたもので、現在では非常にしっとりとした風合いを醸し出しています。
サイズ的には、テーブルやボードの上に置いたり、こだわりの一品を飾る敷物、壁に掛けるタペストリーなど、インテリアのアクセントとして、住まいを豊かに演出するテキスタイルとして、ご使用いただければ幸いです。