敷物はインテリアにおいて、重要な役割を果たしています。
敷物には、①空間全体または一部分の床を覆い、足音を和らげたり、床を保護したりといった実用的な面と、
②空間を彩り、装飾的に演出する、二面性があります。
世界中の敷物は、古来より製造方法を変化させることで、様々な質感(肌触り)を生み出し、その製法は多種多様に発展していきました。
また、人々の使用目的(ニーズ)に合わせてそれぞれのサイズが生み出されました。
敷物の中には、敷物の各名称(キリムやギャッベなど)ではなく、「絨毯」、「カーペット」、「ラグ」、「マット」などの言葉が用いられ販売されることも多くあります。
そもそも日本語の「絨毯」は、英語の「カーペット」、「ラグ」、「マット」などと同じものなのでしょうか。このページでは、それぞれの特徴を踏まえ、用途や違いについて紹介します。
製造方法による敷物の分類
絨毯

まず「絨毯」という言葉を聞いてイメージするものについてですが、「パイル(毛脚)が長く、やわらかい敷物」をイメージされるのではないでしょうか。そのイメージの要因として、「絨毯」に用いられている漢字が大きく関係しています。
「絨」は「厚地のやわらかい毛織物」、「毯」は「炎のように毛羽立つ・もうせん(毛氈)・毛むしろ・毛織の敷物」といった意味がそれぞれあるように、「毛羽立った敷物」を意味しています。そのため、「パイルが長く、やわらかい敷物」をイメージする傾向にあるのだと考えます。また、絨毯とカーペット(ラグやマット)が別物なのかという疑問は、それぞれ言葉の意味を知ると解決できます。
カーペット


カーペット(carpet)は、英語だと「一面の〜」という意味があります。※ [a carpet of snow(一面の雪)]
日本は、一般的に畳文化・フローリング文化のため、カーペット=絨毯として敷物のイメージがついています。一方、アメリカは、(フローリングの文化もありますが)床一面がファブリックのカーペットになっている文化でもあります。そのため、アメリカでは「カーペット=敷物」という認識ではなく、アメリカにおいて、日本人が「カーペット」としてイメージするものに当たる言葉としては「rug」が該当します。国(文化)の違いによって、同じ言葉でもイメージするものにズレが生じているのです。
そのため、それぞれに厳密な違いはないものの、必ずしも 敷物=カーペット、カーペット=絨毯 とならないことが分かります。
つまり、キリムは敷物でありながらも、絨毯には該当しないということです。
ラグ

ラグ(rug)は、実用的な用途としてだけでなく、装飾的な用途として用いられることも多くあり、インテリアのアクセントとして、空間を華やかにしたり、統一感を持たせたりできます。
大きなサイズのラグは空間の中央部分へ、少し小さいサイズのラグはソファの足元やベッドサイドなどの空間の一部分を彩るためになど多様な使い方があります。また、形や質感、色味などの各要素によって、空間の印象を一気に変化させることができるため、装飾的に用いられることが多い理由の1つと言えるでしょう。
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マット

マット(mat)は、ラグよりも比較的小さなサイズの、床の一部分に敷くものにあたり、日本では一般的に、玄関マットやキッチンマット、バスマットなどに用いられています。特定の場所において、主に実用的な用途があるものに「マット」という名称を付けています。※ ちなみにラグマットは和製英語です。
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上記のように、カーペット・ラグ・マットは、それぞれの敷く場所や用途によって呼び分けられていると考えられます。敷物を探す際には、探している敷物がどのキーワードに当たるのかを知っておくと、探しているものにぴったりの商品に出会えやすくなるでしょう。
製造方法による敷物の分類
そして、敷物の分類方法についてです。いくつかの分類方法がありますが、このページでは製造方法による分類を紹介します。
敷物は、まずパイル(表面を覆っている毛羽など)の有無によって、大きく2種類に分けられます。その次に、織り・刺繍・接着・圧着・編みなどの大まかな製造方法ごとに分けられ、さらにその製造方法ごとの詳細な技法へと細かく分類されるのです。
分類図
では、キリムはどの分類に該当するのでしょうか。それはキリムの特徴を踏まえて考えてみると分かりやすいです。
キリムの種類についての詳しい紹介はこちら
まず、パイルの有無についてですが、キリムは「パイルのない」さらっとした表面になっています。パイルがないことで季節を問わず使いやすく、夏は涼しく蒸れずに、冬は床の冷たさを感じることなく、お使いいただけます。

次に、製造方法についてです。キリムは大まかに「織物」として分類され、詳細に区分すると「織物」の中の「平織り(つづれ織り)」という技法に当たります。(平織り:経糸と緯糸とを1本毎に交差させてつくる最も基本的な織物組織であり、三原組織の1つ。)日本の敷物にも、平織り(つづれ織り)で製造されている伝統的な織物がありますが、キリムは主にトルコなどのどのような分類によって分けられているか、また、分類ごとの特徴を知ることで、その敷物の新たな長所を発見できるので、さらに興味や愛着が湧いてくると思います。
空間中央に敷く大きめサイズから、玄関マットやベッドサイドに適したサイズ、テーブルやサイドボードを彩る細長いテーブルランナーサイズのキリムまで、様々なサイズのキリムをご用意しています。また、キリムのコースター・プレースマット、クッションカバーといったインテリア小物もございます!
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